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までドウゾ!

旅カメラというものがある。
世界の果てまで肌身はなさずに持参して、自分の見た光景をそのカメラに記録してやろうという、これは大げさに言えば、人間の視神経の冒険なのである。
その、旅カメラに必要な条件を考えるに、小形で軽量で、しかも手間がかからずに撮影出来て、さらに故障知らずで、持って楽しいという諸条件にこれは尽きるようである。
こう書いてしまえば簡単なことなのだ。
ところが、そういう「理想の旅カメラ」というのを現実に規定するのは、これまた一大事で、これは人生の目的そのものと言っても良いくらいである。
もし、旅カメラ理想の一台が存在するとしたら、そのカメラだけで、人生の写真の目的は達成されてしまうので、まあ、理想の状態であると言うべきであろうが、仮にそうなると、旅の前に、あれを持って行こうか、それともこれにしようか、という悩みもなくなってしまう。
旅で写真を撮影することは、人生の究極の目的でないことは明らかなのだけど、それなら、視点を180度変えて、人生の目的とは何か?と質問されれば、そんな言葉に置き換えられるものでもない。
その論理から言えば、旅にカメラを持参するのは、「旅を撮影することがその目的では ないのだ」という見方も成り立つ。
それで、旅に出る前に、東京は佃のカメラのジャングルの中で、持参するカメラ選びにかなりの時間を費やすることになる。
言い方を変えれば、これから出かける旅を予感、予想して、カメラとレンズを揃えることから、すでに旅が始まっているわけだ。
今回は、パリ、リスボンを訪問する17泊18日の旅であるのだけど、その為に用意した機材は以下のような陣容であった。

★ライカl型+旧エルマー50ミリ(これは当然ながらレンズは固定されている)
★ライカM2ブラックペイント(ただし後塗り、ただし、シャッター音は非常に
静粛)+カナダ製ラピッドワインダー

きわめてシンプルライフなライカライフである。
本当ならば、ライカl型を1台だけ持参するのが、旅の理想に近いであろう。
そうなれば、1925年に、かのブレッソン先生が南仏のマルセイユかどこかで、最初のライカに出会って、それが彼の人生を変貌させた、あの感動を再度味わうことが出来るのかも知れない。
しかし、それでは2003年に生きている、ライカ人類としての、アイデンテイテイが失われるのではないか、というのが気になる。
それで「バックアップ」の為に1950年代のライカM2を持参した。これが最新モデルのライカM7ではないところが、私としては、ちょっと見識があるな、と勝手に自慢しているポイントなのである。
M7を使ってしまうと、現代の押すと写るモダンカメラを使っているのと、同様に、あまりに便利で、そこには「旅の節操」がなくなってしまう。
「可愛い子には旅をさせよ」ではないが、「好きなカメラをシンプルに使え」これが旅カメラの神髄なのである。
その為に、以上の2台のライカを使うには、無論、露出計は持たない。
それぞれの土地に立ち、その土地の光の量を自分の目で見て、勘で露出を決定すること。
つまり、「旅でカメラする」というのは、どうもそういうことらしい。
レンズは35、50,90ミリの3本。フィルムはモノクロのコニカパン400を35本持参した。
その旅の進行状況は、次回にご報告。


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